つい数日前のことです。患者さんが、「風を引いたので抗生剤を処方して欲しい」と言います。「風邪はウイルスが原因なので、抗生剤を飲んでも風邪は治りませんよ」と説明するものの、「前回、風邪を引いた時は、抗生剤を飲んで治ったので出してほしい」といいます。結局、患者さんを納得させるのに１０分ほどかかりました。
風邪は数日安静にしていれば治るのですから、風邪が治ったのは抗生剤の効果ではないのです。
風邪の原因はウイルスなので、抗生剤(細菌を殺す薬)は効果がない、ということを多くの人は知りません。
総合感冒薬は、風邪の症状を押さえるだけで、風邪が治ることが遅くなることはあっても、早くのおることはない、ということも知らない人が多いですね。
当然、そういう人は、自分の子供が風邪を引いたときにも、病気を直すことに対して意味のない薬を飲ませる。百害あって一利なし。子供に毒を飲ませている親がたくさんいる、というのが現実です。
それにしても、日本人は薬が大好きななのか。
おそらく、テレビばかり見て、本を読まないからです。
「風邪をひいたら風邪薬」というのは、完全にテレビＣＭの洗脳です。この小児科医・内海佳代子さんの、『小児科医は自分の子どもに薬を飲ませない』(マキノ出版)のようなも薬について正しい知識が書かれた本を読んで入れば、「風邪をひいたら風邪薬」というバカな洗脳から解き放たれるはずです。
子供が熱を出すというのは、別に夜悪いことではないのです。
免疫を獲得しているということですから、
この本には、「３歳までに多くの病原体と出会おう！」(P57)と書かれていますが、「病気＝悪」みたいな決めつけがあるので、これまた知られていない事実と言えるでしょう。
じゃあどうすればいいのか、というと「野菜・果物を食べない子は発熱の頻度が４倍に」(P72)というように、子供の好き嫌いをなくして、バランスのよい食事をすることが、病気の予防に圧倒的に効果がある。
あるいは、「親との感情の交流こそが一番の薬」(P89)、「心が穏やかな子は生命力も強くなる」(P95)といったように、メンタルと免疫は関係してることにも言及されているのも、なかなかありそうでない知識だと思います。
無闇に病院に連れて行かない。
じゃあどういうときに連れていけばははのかも、きちんと書いてあります。
『小児科医は自分の子どもに薬を飲ませない』を読むと、薬と病院との正しい付き合い方がわかります。
小さなお子さんを持つ全ての方に読んでいただきたい一冊です。
『小児科医は自分の子どもに薬を飲ませない』
(内海佳代子著、マキノ出版)
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